漁業権の基礎

漁業権とは?海のレジャーの際に確認する5つの方法

海で釣りや採集を楽しむ前に知っておきたい漁業権の基本と、実際に確認するための5つの方法について整理しています。

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漁業権は、漁師さんなどの漁業者が、一定の水面で特定の漁業を一定期間、排他的に営む権利です。
海のレジャーを一律に禁止するものではありませんが、対象となる漁業や水産動植物、区域などを確認せずに採捕すると、漁業権を侵害し、罪に問われるおそれがあります。
本ページでは、海で狩猟採集系レジャーを行う際に絶対知っておきたい、漁業権について整理します。

漁業権の3つの種類

漁業権の種類概要
定置漁業権大型の定置漁業を営む権利
区画漁業権一定の区域内で養殖業を営む権利
共同漁業権採貝・採藻漁業など、一定の水面を共同利用して営む漁業に関する権利

海のレジャーに関係する漁業権は?

基本的に、海でのレジャー(釣り、潮干狩り、魚突き、磯遊び・採集など)に関わってくるのは「共同漁業権」です。
特に、区域(エリア)と魚種によって構成される第1種共同漁業権を理解しておく必要があるでしょう。
タコ、イセエビ、サザエなどをはじめ、全国で200種類以上の魚貝藻類が設定されており、知らずのうちに捕ってしまうと罪に問われることがあります。

主な漁業権対象種

主な漁業権の対象種
AIによる生成画像です。

日本の沿岸域における主な漁業権対象種は、サザエ、アワビ、ウニ、イセエビ、ナマコ、タコ、海藻類など定着性の海の生き物です。
これらの魚種は漁業において重要であることに加え、大きく移動しないという性質を持つことから、一般人による捕獲が制限されています。

意外な漁業権対象種

意外な漁業権対象種
AIによる生成画像です。

アワビやサザエ、イセエビなどに漁業権が設定されており、とってはいけない場所が多いこと自体は、知っている方が多いでしょう。
しかし、実際にはこれらに加え、案外取りがちな海の生き物にも漁業権が設定されている場合があります。

タコ|エリアごとに設定状況が異なるため注意

タコは漁業権の対象種として有名ですが、設定される地域のばらつきがあるため注意が必要です。
近年はタコ釣りも人気があり、専用の釣具なども販売されていますが、どこでもタコ釣りができるわけではありません。計画時には、漁業権も併せて確認することが必須と言えるでしょう。
また、注意したいケースとして、釣りをしていたらたまたま釣れてしまい、漁業権の対象と知らずに持ち帰ってしまうケースがあります。
突然タコが釣れた際には、そのポイントで漁業権の指定がないか、確認する必要があります。

貝・ウニ類|磯遊びの時は注意

磯・海岸で普通にとることができる貝・ウニ類などにも、漁業権が設定されているケースが多々あります。
いくつかの種類がありますが、主にバテイラ(シッタカ)、クボガイ・クマノコガイなどの磯貝類に加え、マツバガイ・カサガイの仲間にも漁業権が設定されている場合があります。九州~沖縄などの南方ではマガキガイ(ちゃんばら貝(高知)、トンピ・トンビ貝(九州)、ティラジャー(沖縄)とも呼ばれる)が生息し、塩ゆで等で人気がありますが、漁業権の対象となっているエリアもあります。
磯遊びでおなじみのムラサキウニなども、うにの一種として漁業権が設定されていることがあります。

海藻類

海藻にも注意が必要です。寒天の原料となるテングサの仲間や、のり、わかめ、昆布、ひじきなどの海藻類についても漁業権が広い地域で設定されており、知らずに採取してしまうと漁業権の侵害にあたる恐れがあります。

餌ムシ

最後にご紹介しておきたいのは、餌ムシです。イソメやゴカイなどの釣り餌は釣具店で購入する人が大多数ですが、海岸で自家採集して釣りに使う人もいるかと思います。
しかし、かなり多くの海岸で、「餌むし」が漁業権の対象として指定されています。これは餌虫を採取して販売する業者さんもいるためで、一つの産業となっているためです。こういった場所では、餌虫類の採集は行わないようにしましょう。

海の狩猟採集系レジャーでは、漁業権は絶対に確認しよう

以上に、海のレジャーを行う際に知っておきたい、漁業権について整理しました。漁業権は日本全国で広く設定されている他、津々浦々異なる内容が設定されていることが多く、その対象種も多く複雑であるため、十分に注意が必要です。
一方で、しっかりと理解をすれば、海のレジャーをより気持ちよく、自由に楽しむことができるようになります。
海で楽しむ際には漁業権をかならず確認し、安心・安全にレジャー活動を行うようにしましょう。

漁業権以外の注意点

ここまで、海のレジャーに関わる漁業権について整理しました。しかし、気を付けるべき海のルールは漁業権だけではありません。
最後に、漁業権以外にもレジャーに影響し得る海のルールについて、簡単に整理します。

特定水産動植物

3種類の特定水産動植物
AIによる生成画像です。

漁業法において定められる特定水産動植物は、悪質な密漁が行われている水産動植物が対象となっており、原則として採捕することができなくなっています。違反した場合は、3年以下の懲役又は3,000万円以下の罰金が科されるため、十分に注意が必要です。
現在(2026年7月時点)において指定されているのは、「アワビ」「ナマコ」「シラスウナギ(13cm以下のウナギ稚魚)」です。
基本的には悪質な密漁を対象とした法律と言えますが、磯遊びなどでアワビを採ってしまったり、ナマコ(すべての種類)を採ってしまうと、思わぬ重い罪に問われることがあるため、絶対に採取しないようにしましょう。

漁業調整規則

漁業調整規則は都道府県ごとに制定され、遊漁(一般人が海で生き物をとる行為。)において使用可能な道具が各自治体ごとに定められている他、海の生き物について禁漁期間などが定められる場合があります。
そのため、海での狩猟採集系レジャーを行う際には、その場所が属する都道府県が施行している漁業調整規則を確認し、どういった行為が遊漁として認められているのか、確認する必要があります。

漁業権を確認する5つの方法

ここまで、海のルール、特に漁業権について整理しましたが、そんな漁業権を確認する方法として何があるのでしょうか。5つの方法を整理してみました。

  1. 現場の看板・貼り紙を確認する
  2. 管轄に電話・問い合わせで確認する
  3. 現地の住民・漁師さんに確認する
  4. 海上保安庁が提供する「海しる」を活用する
  5. 「UMIMAP」などの海域情報サービスを利用する

現場の看板・貼り紙を確認する

密漁の注意喚起看板

海岸・漁港などでは、漁業権について記載された看板を目にすることがあります。
こうした看板には、漁業権の対象種、禁漁期間等が書かれているケースが多いです。
現場で確認できる一方で、全ての内容が網羅されていなかったり、内容が古くなっている可能性もあります。
また、看板だけではどこからどこまでが対象エリアなのかが分からないというデメリットもあります。

管轄に電話・問い合わせで確認する

その海域・地域を管轄する行政や海上保安庁に、漁業権について尋ねることもできます。
こうした情報は信頼性が高い一方で、電話やメールをする手間がかかり、返答を得るまでに時間がかかることもあります。

現地の住民・漁師さんに確認する

現地の住民や漁師さんに、漁業権について尋ねる方も多いでしょう。
しかし、現地の方が漁業権について完全に理解していないことがあったり、実際にはとってはいけないのに「捕っていいよ」と言われることもあります。
実際の判断は、信頼できる情報をあたるのが良いでしょう。

海上保安庁が提供する「海しる」を活用する

海上保安庁は、「海しる」というサービスを提供しており、漁業権などのエリアや情報について、マップ上で確認することができます。
信頼性が高く、いつでもどこでも確認できるためおすすめの方法ですが、「海しる」自体は海洋レジャーだけでなく産業・研究向けといったレジャーに関連しないデータも公開しており、機能やインターフェースが複雑という意見があります。

「UMIMAP」などの海域情報サービスを利用する

UMIMAP

「UMIMAP」などでは、海洋レジャーに関連する情報を統合して、マップ上に表示するサービスが提供されています。
モードごとに必要な情報だけを、アイコンや分かりやすいインターフェースとともに確認できるため、海で遊ぶ場合にはおすすめです。
クリックした地点に掛かっている漁業権の内容を表示できるほか、漁業権の対象種ごとに指定されているエリアをハイライト表示する機能などもあり、海の狩猟採集系レジャーに最適なアプリとして設計されています。
海上保安庁の「海しる」などと同様の情報源を利用しているため信頼性は比較的高いですが、情報の反映にラグがある場合などもあるため、最終的な判断は複数の情報を参照するようにしましょう。

出典・確認先

  1. 漁業権について (水産庁) 確認日: 2026年7月24日

    漁業権の定義、種類、免許情報と確認上の注意を参照。

  2. 漁業法 (水産庁) 確認日: 2026年7月24日

    遊漁者向けの漁業権説明を参照。

  3. 海しる/MSIL (海上保安庁) 確認日: 2026年7月24日

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